いつも隣に。

ある日姉貴はずぶ濡れで帰ってきた。

雨が降っていたわけではない。



「姉貴?なんでそんなん濡れてんの?」

俺は笑い交じりに聞いた。


姉貴はにっこり笑って、

「川に携帯落としちゃって、探してたら自分も落ちちゃった。」

と答えた。


「とろいなあー早く拭けよー」

そういって俺は自室に戻った。

俺がいなくなったあと姉貴の表情が崩れていた
事も知らずに。


その日を境に姉貴は帰りが遅くなった。

そして、日に日に弱っていくのが
手に掴むようにわかった。

最初のうちは、部活で疲れてるのだろうと思っていた。

だけどそれはちがった。

俺はこの後学校であるものを見る事になる。

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