黒水晶

炎の神·グレンに遭遇したことも話した。

「そうかい。いろいろあったんだね。

でも、マイが無事でよかったよ」

「もっと怒られると思ってた……」

「怒る以上に、心配だったさ。

それに、マイがここを飛び出したくなるのも、分かるんだよ。

旅をする前まで、アンタは自由の身だった。

それを考えても、城での生活は、マイにとってはちょっと辛いかもしれないねぇ……」

テグレンはマイの気持ちを理解したが、一方で、自然の神のことをマイナス視していた。

「アルフレドやグレンとのやり取りは、穏便に済んだから良かったものの……。

このままじゃ、いずれ、他の神達もマイを襲って来るんじゃないのかい?」

「このままにしておいたら、そうなるかも。

私、神様達の命が心配だよ……。


ヴォルグレイト様に頼もうと思ってる。

少しの間、城を出たいって……。

私、神様全員のところに行きたいの。

私の魔法じゃ一時的な応急処置にしかならないけど、何もせず放っておくよりずっといい……」

「そうだよね……。

どうして自然エネルギーの乱れが起きているのか。

それが分からない以上、そうする他ないよねぇ……」

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