黒水晶
イサ、レイル、フェルト。
三人が弾かれたように後ろを振り向くと、水の守り神·アルフレドが立っていた。
アルフレドは以前、マイが持つ杖の力を求めてイサ達に攻撃をしかけてきたことがあった。
アルフレドはその時のことを思い出しているのか、ガーデット帝国の無残な姿に憂いを感じているのか、涼やかなオーラをまとって苦笑している。
清潔感あふれる白い衣装。
青空を切り取ったように透明感のある水色の髪。
穏やかさをたたえた切れ長な瞳。
アルフレドは、まさに、水を擬人化したような外見をしている。
フェルトとレイルは水の守り神の登場に言葉を失い、目を見開いた。
こうして自然の神が人前に姿を現すことは無いに等しいし、現すことがあるとすれば、それは非常に危機的な状況を意味する。