黒水晶
気を失っているイサ達を横目に、自然の神達は黒水晶に操られている上空のマイに注目した。
皆の仕切り役となった幼い少女アチェレータは、声を高らかにして言った。
「みんな、いくよっ!!」
アルフレドはうなずき、
「このまま黒水晶の暴走に逆らわず世界もろとも破滅するか、
黒水晶の無限大の力に期待し依存して、心を失くすか……。
人間に残された道は、どちらかひとつだ」
と、一同の顔を眺めた。
「どっちにもならないって!
そのために俺達が来たんだから!」
グレンは脳天気だ。
「今回ばかりはグレンの言う通りだな」
ルークは珍しくグレンの言葉を肯定した。
「そうよ。破滅も依存も、させないわ。
黒水晶は、私たちが作り出した物だもの……」
リジェーノの憂(うれ)いをおびた色っぽい声を合図に、皆は上空で黒水晶と共に浮遊しているマイを取り囲みにいった。
このままでは、黒水晶に操られたマイが、その能力で世界を滅ぼしてしまう。
神達は、自分たちが持つ能力全てを振り絞り、黒水晶を破壊しようとした――!!