忘れない



その時の谷口は、周りのみんなが授業で使う重い道具を運んでいるのを見て、自分も運ぼうと、必死に運んでいた。

でも、その姿を見た谷口の担任は、

「谷口君は病気じゃけん、無理して運ばんでいいんよ。
 貸してみんさい。」

と言っていた。
でも谷口は、

「いや先生僕は大丈夫です、運ばしてください。」
と言った。

でも先生はむりやり谷口からその荷物を取って、運んでいった。


その時の私は、先生が持ってあげるって言ってるのにどうして素直に持ってもらわないのだろう。
変な子だな。
と思っていた。


でも今となっては、谷口は病気で休んでいた分みんなについていけなかったから、必死にみんなと同じ事をしようとしていたんだなと思う…



< 3 / 22 >

この作品をシェア

pagetop