毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「今日、見ちゃったんだけど」と、夕食を食べ終わり、居間で聖が抱きしめてきた胸の中で私が口にした。
聞かないほうがいいってわかってる。
婚約したばかりだし、私が話して関係がこじれるなら黙っていたほうがいい。
けれども気になる。
日中に見てしまった光景が、忘れられない。
婚約したばかり彼が、なぜ若い女性とホテルから出てきたのか。
どうして腕を組んで道路を歩いていたのか。
私は29歳。30歳前には結婚したい。その思いから、付き合っていた聖と婚約をした。
聖は私より6歳年下で、きっとまだ遊びたいんだろうって思う。
でも私を好きだって言ってくれるし、私に自分の子を産んで欲しいって話してくれるから……私との結婚に不満はないと思ってた。
聞かないほうがいいってわかってる。
婚約したばかりだし、私が話して関係がこじれるなら黙っていたほうがいい。
けれども気になる。
日中に見てしまった光景が、忘れられない。
婚約したばかり彼が、なぜ若い女性とホテルから出てきたのか。
どうして腕を組んで道路を歩いていたのか。
私は29歳。30歳前には結婚したい。その思いから、付き合っていた聖と婚約をした。
聖は私より6歳年下で、きっとまだ遊びたいんだろうって思う。
でも私を好きだって言ってくれるし、私に自分の子を産んで欲しいって話してくれるから……私との結婚に不満はないと思ってた。