あなたを好きになれたから 
出会い
私、亜子 こと 平野亜子は短大を卒業して、地元の電気部品を扱う会社に入社した。
仕事は、営業事務。
営業マンがもらってきた部品の図面を、メーカーの工場に送ったり、お客様からの電話を取り次いだりするのが主な仕事。

仕事を始めて、3ヶ月たったころ
運命的な出会いをすることになるなんて 

この時の私はまだ、思ってもなかった 


その日
営業さんから急ぎの電話が入った。

「亜子ちゃん!俺の机に図面ない?」

「あ、ちょっと待ってくださいね ありましたよ!いつものように、フアックスで送りますか?」

「いや それ、数字が細かいから、フアックスだと見えないんだよ。亜子ちゃん、それ今から持って来てくれない?俺、今からその打ち合わせに入らないといけなくてさぁ~部長には連絡しておくから、ね、お願い!」
先輩、ホントに困ってるんだ 
電話口で、手を合わせてるんじゃない? の様子が浮かんでくる。


「わかりました。M社でいいんですよね。」


私は、図面をファイルにいれて急いで用意をした。
そして、同期入社で大親友である、美奈ちゃんに

「今から、この図面届けにM社に行ってくるね!」

そう告げて、急いで出かけた。


M社 
しっかりとした製品を作ってくれるし、納期もちゃんと守ってくれるし、わが社の営業さんも、お客様からも熱い信頼がある会社なのよね 


先輩を探さなきゃ!!


受付があるフロアーを見渡していたら、
後ろから、肩をポン!と叩かれた。

きっと、先輩だ!
と、後ろを振り返ると

「亜子じゃん!」

って、イケメンサラリーマン!!

けど
私を知ってる!?

誰だ???
頭の中で、ハテナが渦巻き 

「おい!忘れたか?お前って奴は。。オレだよ!中学の時、同じバレー部の須田!」

えーーーー!!!
須田先輩!!!

「須田、先輩!?うわぁーすっかり変わられて!!わかりませんでした だって、あの頃は、坊主頭だったし 」
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