あなたを好きになれたから 
「涼パパ~!お帰り!」


姪の鈴音が出迎えてくれた。
俺の兄貴の忘れ形見。


「あら!涼!
今日は早かったのね! チョコ、貰えた?」


そう言って
ちょっと意地悪く笑いながら話しかけて来るのは、 鈴音の母親で
兄貴が愛してやまなかった雅。
俺の高校の同級生でも、ある。
もちろん
【キッチン華】の2人とも同級生。


そして
俺が、秘かに好きだった人。


高校2年で同じクラスになった俺たち、4人は
何かと連れだって遊んでいた。


気立てもよく
勉強も出来て、明るい雅。将来は、建築関係に進みたいーーって夢を語っていた。
< 263 / 307 >

この作品をシェア

pagetop