キミ、想ウ




「お客さん?」

「いや、蒼(あおい)くんじゃないかな」

「蒼くん?」

その時、裏の部屋に入ってきたのは、
長身の男性だった。

「蒼くん、おはよー!」

「……はよ」

「寝起きじゃん!」

「さっき起きたんだよ」

長身の男性は
眠そうにしながら、
手に持っていた財布と携帯と煙草を
テーブルの上に置いた。

「見ない顔がいる…」

「この前話した蓮!」

「蓮です…」

ペコッと軽く頭を下げると
彼も軽く頭を下げてくれた。

(悪い人では…なさそう…?)

「こっちは、蒼くん!この店でボーイしてるんだよ」

「ボーイさん…」

昔働いていたスナックとは違って
店にボーイが居ることに
少なからず、違和感を感じた。

「あと、この店の姉妹店になるボーイズバーのマスターもしてるんだよ」

「すごっ…」

「よろしくな」

「あ、よろしくお願いします…」







< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop