彼女は予想の斜め上を行く
「ちょっと、聞いてる?」
俺って、屈折してるな…。
と考え込んでいたら、顔を覗き込まれて鼓動が高鳴る。
「きっ、聞いてますよ?えっと……、先輩からなに聞いたんすか?」
はぁ~っと、呆れたような溜め息をついた後。
「新商品の企画案。自分ひとりで企画出来るって豪語したんでしょ?」
「いや…。豪語っつーほどでは……」
これが、俺がタダ残する理由。
強烈で斜め上向きなデートの翌々日。
月曜日のことだ。
「………というわけで、冬の新商品企画案を各自提出するように。長野君は初めての商品開発だから、中島君と共同で提出すること」
冴えない見た目に反して、ハキハキと話す新田課長に俺は生意気な発言をする。
「ひとりで提出します。やらせて下さいっ!」
チャンスだと思った。
あの完璧な男に張り合えるチャンスだと。
そのためには、完璧な男の手を借りては駄目だと思った。
俺って、屈折してるな…。
と考え込んでいたら、顔を覗き込まれて鼓動が高鳴る。
「きっ、聞いてますよ?えっと……、先輩からなに聞いたんすか?」
はぁ~っと、呆れたような溜め息をついた後。
「新商品の企画案。自分ひとりで企画出来るって豪語したんでしょ?」
「いや…。豪語っつーほどでは……」
これが、俺がタダ残する理由。
強烈で斜め上向きなデートの翌々日。
月曜日のことだ。
「………というわけで、冬の新商品企画案を各自提出するように。長野君は初めての商品開発だから、中島君と共同で提出すること」
冴えない見た目に反して、ハキハキと話す新田課長に俺は生意気な発言をする。
「ひとりで提出します。やらせて下さいっ!」
チャンスだと思った。
あの完璧な男に張り合えるチャンスだと。
そのためには、完璧な男の手を借りては駄目だと思った。