彼女は予想の斜め上を行く
カタカタとオフィスに響くキーボードの音。

時計の針は、間もなく八時を指そうとしていた。

先程まで何人かいた残業組もいなくなり、一人きりのオフィス。

中島先輩が土台を作っておいてくれたお陰で、俺はそれをパソコンで打ち込みグラフなどを作ったりするだけで済んでいる。

もう半分で打ち込みが終わるから、あとは必要な部数を印刷するだけ。



今頃、先輩はあの主任達と一緒に合コンか…。

あんなに必死に先輩を誘ってたってことは、あらかじめ女の子達に先輩を連れて来ると約束でもしたのだろう。

まぁ先輩がいれば、言い方は悪いがいい餌になりそうだ。

女子の人数もかなり集まるだろう。

ただ集まったところで、女は全て中島先輩目当てだ。

そんな合コンは、楽しいのだろうか?



この分だったら、九時には帰れるかな。

「ここらで一息いれっか」

時計を見て呟くと、給湯室でコーヒーを入れる為席を立とうとした。
< 15 / 251 >

この作品をシェア

pagetop