彼女は予想の斜め上を行く
「気に入った。思わず今すぐ売り出したくなるな」
「ありがとうございます!」
三十代前半有名パティシエである社長からの最高な誉め言葉に、頭を下げた。
だけど誉め言葉程度に捉えたのが、間違いだった。
「今季向けのアレンジとかないの?」
この人、本気だ。
本気で、今すぐ売り出したいんだ。
《la neige》は夏を迎えサッパリした物を売り出す今の時期には、口当たりが濃厚すぎる。
今冬に向けてのプレゼン。
夏向けのアレンジは考えていない。
なくても、きっと本採用はされる……はず。
だけど社長がここまで言ってくれるのだから、応えたいのが人間だ。
父親である会長が、更に俺達を焦らせる。
「週末が、商品切り替え日だったはずだ。それまでに、店頭に出せないかな?」
週末に店頭に並べるということは、最低明日までにアイディアを提出しなければ到底間に合わない。
「ありがとうございます!」
三十代前半有名パティシエである社長からの最高な誉め言葉に、頭を下げた。
だけど誉め言葉程度に捉えたのが、間違いだった。
「今季向けのアレンジとかないの?」
この人、本気だ。
本気で、今すぐ売り出したいんだ。
《la neige》は夏を迎えサッパリした物を売り出す今の時期には、口当たりが濃厚すぎる。
今冬に向けてのプレゼン。
夏向けのアレンジは考えていない。
なくても、きっと本採用はされる……はず。
だけど社長がここまで言ってくれるのだから、応えたいのが人間だ。
父親である会長が、更に俺達を焦らせる。
「週末が、商品切り替え日だったはずだ。それまでに、店頭に出せないかな?」
週末に店頭に並べるということは、最低明日までにアイディアを提出しなければ到底間に合わない。