彼女は予想の斜め上を行く
恐らく耳まで真っ赤にして、視線を泳がせ動揺する俺。

「勇人。聞いてるか?」

未だに口撃の手を休めない怪訝そうな表情を浮かべる完璧な男。

先輩にも俺にもお構い無し。

やっぱりイタズラな笑みと妖艶な甘い声で、彼女は囁き続ける。

案の定俺は真っ赤な顔と泳ぐ視線。

更には金魚のように口をパクパクさせるというオプション付きで、面白いぐらいに動揺するさせられるんだ。



好きで好きで仕方のない彼女とやっと想いは通じ合ったけど。

ヘタレでビビりな俺には、やっぱりこれから先もずっとずっと彼女は手に負えそうにない。

だって、ほら……。

今日も。



「もちろん最後までシテね。勇人?」



―――彼女は予想の斜め上を行く。



~Fin~
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