彼女は予想の斜め上を行く
「あっ、俺半分出します」

「出さんでいい。その代わり付き合え」

車を会社に置いてきた為、タクシーを捕まえ半ば強引に俺を押し込めて自分も乗る。

完璧な男は行き先を運転手に告げ、流れる外の景色を眺めていた。





「ありがとうございました~」

「じゃあね~♪連絡するから」

見送りのキャバ嬢に、上機嫌で手を振る中島先輩。

午前一時。

タクシーに乗ろうとする先輩に、肩を貸す。

完璧な男中島裕行は、今日は完璧とは程遠いようだ。

週明けにも関わらず、一軒目から半端ない量の酒を呑む。

遅い時間に二軒目へ。

ちなみに二軒目はキャバ。

キャバ嬢に言い寄り、やはり大量の酒を飲んでいた。

キャバ嬢もイイ男に言い寄られるのは悪い気はしないらしく、連絡先も互いに交換しイイ雰囲気に見えた。

そういえば、あのキャバ嬢。

少しだけ金本さんに似ていた。

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