彼女は予想の斜め上を行く
読み仮名が違う。
でも、長野を《ちょうの》なんていう人、珍しいな。
つーか、初めて?
「あっ…。そうなんだ…」
金本さんは、なぜか一瞬残念そうな表情を浮かべた。
「製造課の金本 葵〈カネモト アオイ〉です。たまに開発課のお手伝いもさせて頂いてます。よろしく」
金本さんは、ニッコリ笑いながら自己紹介した。
ドキンッ
その笑顔に俺の心臓が軽く跳ねる。
やっぱこの人可愛いな。しかも、ただ可愛いだけじゃない。
なんつーの。
綺麗の中に可愛いさがあるっつーか、大人の可愛いさなんだよな。
彼女の笑顔に見とれていた俺は、またしても挨拶をし忘れそうになる。
が、ハッと我に返り、慌てて彼女に挨拶。
「今日から、よろしくお願いします!!」