彼女は予想の斜め上を行く
葵と俺は、付き合っている。

俺が社会人になってしばらくしてから付き合い出した。

互いの年齢的にも付き合っている年月的にも、割りとサッパリした付き合い。

でも、俺達なりに仲良くやっている。

と、思っていたのだが……。

俺の認識が、甘かったか?

今、目の前の二人は楽しそうに話している。

いや。楽しそうに話しているだけなら、いい。

俺も大人だ。

気にしない……と、思う。

ただ、なんとなく……。

あの二人には、俺の知らない何かがあった。

二人の距離は近くなった……。

そんな気がしていた。



「遅くなりました!」

葵と話し終えた勇人は、俺の前の席に座り慌てて食べだす。

よく考えてみれば、葵は俺みたいなスポーツマンタイプの男は元々好みじゃない。

細身で育ちのよさそうな優しい顔つきのイケメンがタイプらしい。
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