彼女は予想の斜め上を行く
「みっつめ。これは質問」

自然と真剣な目付きになる。

「勇人は、金本葵が好き?」

今までのように、意識してるってレベルじゃダメだ。

俺と同じ土俵でなきゃ。
「好きです。俺、金本さんのこと欲しいです」

ストレートに勇人は答える。

好きか?って聞いただけなのに、ご丁寧に欲しい発言まで。

「彼氏いるのに?」

今、お前の目の前にね。

「はい」

「彼氏。すげぇイイ男かもよ?」

この言葉は、さすがに自分で言ってて痛いな。

「それでもです」

真剣な勇人の目。

そこから、視線を天井へと上っていく煙に移す。

見つめながら考える。


今、十一時ぐらいか…。

葵まだ起きてるかな?

会いたいな…。

でも、勇人の気持ちと二人の間に何があったか聞いた後に冷静でいられるか?

葵に優しく出来るか?
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