彼女は予想の斜め上を行く
葵に会いたいのに会えないジレンマと闘っていた俺は思い出した。

俺を合コンに連行した開発課主任30歳独身男が、提供して来た情報を。


『金本に激似のキャバ嬢がいる』


そして、俺の目の前に噂の人物はいる。

のだが……。

正直に言おう。

似てない。

葵のが、可愛い。
葵のが、綺麗。
葵のが、話上手。

「中島さんって、イケメンですよね~♪」

俺の腕に押し付けてくるこの胸だって、葵のが……。

葵のが……。

………小さい。



どうやら、主任は目が悪いようで……。

このキャバ嬢に、期待なんて出来ないと思った。

それでも酒の力と男の性は、時にものすごい力を発揮する。

居酒屋とは違う質の良い酒。

腕に押し付けられる胸。

チラチラ見える太もも。
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