彼女は予想の斜め上を行く
「そっか。よかった♪」

金本さんは、素人見解の意見も笑顔で聞いてくれた。

その隣で完璧な男は「よかったじゃん。金本」と、笑い掛ける。

だけど、その目はあの居酒屋での《牽制》を彷彿とさせた。

金本さんの笑顔を見ると嬉しいのに、先輩の目が俺にプレッシャーを与える。

そんな中、奴らがやって来た。



「よっ!盛り上がってっかぁ~っ!!?」

皆それぞれに、酔いがまわり始めた頃。

スパンッ!と、勢いよく襖を開けて部屋に乱入して来た人物がいた。

開発課所属30歳独身男。三輪主任。

下の名前は忘れたが。

スポーツマンタイプの中島先輩を遥かに凌ぐ筋肉質な体型の暑苦しい男。

「彩、ゴリ呼んだわけ?」

「呼ぶわけないじゃん」

コソコソと、女性陣が裏の呼び名で主任の話をする。

「主任。どうして、ここに?」

中島先輩が、主任以外皆が疑問に思ったことを尋ねる。
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