彼女は予想の斜め上を行く
一方、その相棒は。

「なぁ金本。今度二人で食事に行かないか?……って、聞いてる?」

「え?聞いてますよ。お食事ですよね。彩。塩っち。長野君。次、なに頼む?」

しつこいパワー発揮中のゴリラ主任も、完璧でない男のチラチラと送られる視線もなんのその。

平然と品書きを見て、ゴリラ、キャバ嬢、Not完璧男以外のメンツと談笑中。



―――招かれざる客2名がお越しになられてから、かなり時間が経った頃だ。

「あ゛~。限界だわ」

隣に座る俺にしか聞こえないような声で、金本さんが呟いた。

「え?」

「長野君は?そう思わない?この状況」

「……まぁ、だいぶフラストレーションが溜まるというか……」

「その表現。かなり正しいわ。ね?フラストレーションの原因、撃退しちゃおっか?」

「え?」

金本さんは立ち上がると、次の瞬間には満面の笑みで言葉を発していた。


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