彼女は予想の斜め上を行く
「葵。ちょうの。お疲れ~♪」
「お疲れ……」
口喧嘩の最中も止めようとすることもなく、いい性格の彼女特有の笑顔で。
高みの見物をしていらっしゃった彩さんが、更なる笑顔で手を振っていた。
そしてその隣にはパートナーとは対照的に、口喧嘩を食い止めようとはしたものの。
結局は力及ばすな善人塩原さんが、疲れきった顔をしていた。
「金本さんっ!」
居酒屋を後にした金本さんは、俺の手を掴んだままやはり歩き続けていた。
「長野君。あの約束って、まだ有効?」
タクシー乗り場まで来ると、素早く手を離して仁王立ちで腕を組んで俺を睨み付けるようにした。
その視線に居心地の悪さを感じたが、彼女の顔色を伺いながら聞き返した。
「……約束?」
「送ってもらったお礼。出掛けたいって言ってたじゃん?」
「いっ、いいんですか!?」
「うん。でさ、明日空いてる?」
「空いてます!超空いてます!!」
「お疲れ……」
口喧嘩の最中も止めようとすることもなく、いい性格の彼女特有の笑顔で。
高みの見物をしていらっしゃった彩さんが、更なる笑顔で手を振っていた。
そしてその隣にはパートナーとは対照的に、口喧嘩を食い止めようとはしたものの。
結局は力及ばすな善人塩原さんが、疲れきった顔をしていた。
「金本さんっ!」
居酒屋を後にした金本さんは、俺の手を掴んだままやはり歩き続けていた。
「長野君。あの約束って、まだ有効?」
タクシー乗り場まで来ると、素早く手を離して仁王立ちで腕を組んで俺を睨み付けるようにした。
その視線に居心地の悪さを感じたが、彼女の顔色を伺いながら聞き返した。
「……約束?」
「送ってもらったお礼。出掛けたいって言ってたじゃん?」
「いっ、いいんですか!?」
「うん。でさ、明日空いてる?」
「空いてます!超空いてます!!」