彼女は予想の斜め上を行く
「まぁ他の奴らは、気づいたのもいると思うけど♪」
ニヤリといやらしい笑みを浮かべながら、中島先輩の言った言葉に再び頭を抱えだす。
……まぁ、この際金本さん本人にさえバレなければよしとしておこう。
「まっ、大概の男は金本見りゃ勇人みたくなるわけよ」
「でしょうね~」
金本さんすげぇ可愛いもん。
その点、俺の目の前でラーメンすすってるこの男。中島裕行には、そんなことは無縁だろう。
中島先輩は、当然ながらモテる。
俺も自分で言うのもなんだが、顔立ちも悪くない方だと思うし、女にはそれなりにモテるつもり。
でも、イケメンかと言われるとあまり自信がない。
大概のことは、人並みに出来るけど人並み止まり。
だけど、中島裕行という男は違う。
完璧なのだ。
仕事にしても、なんにしてもそつなくこなす。
一部の隙もない。