槇名さんの真実



亮平とは一年の時同じクラスで知り合った。



クラスの男子の中でも中心的なグループの中の一人で、比較的目立つ存在だった。



そんなヤツに、なぜか入学してから半年ぐらい経った頃、呼び出しをくらって告白されたんだっけ。



中学では、小学校からの知り合いばっかで付き合うこと自体に抵抗があって、そういう雰囲気のグループからは逃れてた。



でも、高校に入って知り合いなんか1割にも満たないような環境では、男子も大人っぽく見えたし、



何より、ちゃんと誰かに告白されたのが初めてだったせいか



少し浮かれてた。柄にもなく。




別に、好きだったわけじゃない。



本人に対しても返事を濁した。



それでも



「ちょっとでも、好きになってもらえる可能性があるなら」



付き合って。と言われれば、



それこそ断る理由がなかったのだ。




あれから、今日まで亮平は私の彼氏となる。




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