槇名さんの真実



周りからは熟年カップルのような扱いを受ける私たち。



元々、私がこういうドライ性格なためか、ちょっとの間会わなくても大したことなどなかった。



それでも周囲の反応は「信頼し合ってるって感じだよねぇ~」とかなんとかテキトーに憧れの眼差しを抱かれたりもする。



事実は全く異なるものだ、と何度言ったことか。



なのに悉く、タイミング良く亮平が現れたりするもんだから、私の言葉などあっという間に忘れられ、亮平が株を上げるだけなのだ。



浮気しようが、何しようが、ヤツの勝手。そう思ってる時点で、彼女の心情など持ち合わせていなかったのかもしれない。



付き合い始めて、目に見えるやさしさをくれるようになった。そういう所に、男らしさを感じてドキッとすることもあった。



面倒くさがりな私に代わって、誕生日にはサプライズもしてくれた。




だからというわけじゃないけど、




その気持ちに応えようと思って、亮平が望むことは出来るだけ受け入れてきたつもりだ。



叶えようとがんばってきたつもりだった。




でも、それがホントの好き、に



変わることはなかったのかもしれない。



ここまできて、本当に今さらだけれど...




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