槇名さんの真実



あのまま、それ以上の会話はなく、亮平の教室の前で別れた。



次いつ会うのか、さえ約束しなかった。



というより、言葉を交わせる雰囲気ではなかったのだ。




ここ2カ月ぐらいの間で急速に私の心は冷めきっていた。



そのことを知っているのはイオだけだ。



彼女の恋愛相談を受けながら、私も状況は悪化していることを伝えていた。



自分がそう感じるだけなのかもしれない、とは言ったけど。




でも、今日ではっきりわかったのだ。



亮平だって、こんな風に付き合いたかったわけじゃない。



いつだって笑い合って、少しのケンカもすぐに解決できる、そんな二人でいたかったはず。




無理して、笑わせようとしてくれたのに



なんで応えれなかったんだろう?



1週間連絡しなかったのだって、2か月前ならちゃんと気付いてた。



亮平のせいだって思ってたけど、もう何しても響かないと思われたから



メールも、電話も着信が鳴らなくなったのかもしれない。




だったら、




私は身勝手過ぎた。



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