槇名さんの真実
教室へ戻るとイオが駆け寄ってきた。
「佳奈未ぃ、どこ行ってたの?遅かったねー」
あたしもトイレ行ったのに佳奈未いなかったからさぁ~なんてぼやくイオに、亮平と会ったことを伝えた。
もちろん、今日の放課後のことも。
すると、いつものヘラっとした表情とは打って変わり、締りのある顔を見せ
「大丈夫?あたし、終わるまで近くで待ってるよ」
普段なら、すぐに大丈夫だと言えるのに、
今日に限って、言葉に詰まった私は...
「ごめん、待っててくれる?」
彼女に頼りっきりだった。それでも嫌な顔一つせず、「了解!」といつもの笑顔を見せる彼女に感謝した。
強さが取り柄の私にしては、弱気な選択だったと思う。
それでも味方がいることで、心強くなったのは間違いない。