社長と秘密の生活
「カナメェ―――――――――!!」
ハアッ……ハァッ……ハァ……。
辺りは小鳥の囀りと、微かに聞こえる波の音。
そして、男たちの荒い息遣いだけが耳に届く。
…………終わった。
私は目をギュッと瞑って、唇をグッと噛みしめた。
すると―――――、
腕を掴んでいた男がう゛っと声を出しながら急に離れた。
私は急に腕を放され、放心状態。
………何が起きたの?
恐る恐る目を開けると、
目の前で要が男2人に殴りかかっている。
馬乗りになった要はフランス語で
“俺の女に気安く触るんじゃねぇよ!!”と。
凄い!!凄すぎる!!
あっという間に2人を撃退した。
私は恐怖のあまり足がガクガク震えいたようで、
今にも座り込む寸前のところで、
要に抱きかかえられた。
「杏花、大丈夫か?何かされたか?」