社長と秘密の生活
8.心のままに
俺はクルーザーを返却して、コテージに戻った。
しかし、どこを探しても杏花の姿がない。
杏花……どこだ!?
俺は慌ててホテルのフロントに向かった。
フロントスタッフは、
5分ほど前に杏花がバスケットを返しに来た…と言う。
まだそんなに遠くに行ってないな。
俺は走ってあちこち探し廻った。
杏花……どこだ……?
すると、女の声がした―――。
微かに俺の耳に届いた声は何かを訴えているようで…。
甲高い声が異様な雰囲気を知らせているようで。
そこはコテージの裏手にある従業員用の居住区。
人気は無く、辺りは閑散としている。
俺は不安に駆られた。
もしかして……杏花か!?
まさか……そんなハズは…。