社長と秘密の生活
2.面接



今日は、取引先の創立記念のレセプションに呼ばれ、エトワールホテルに来ている。

レセプションが終わった後、打ち合わせを兼ねてホテルの一室で話し込んでいた。

気づけば、深夜1時。俺は自宅マンションへ帰ろうと地下駐車場に来てみると―――。

ホテルの制服を着た女性が、泣き崩れていた。


「っう゛……っひっ……っく…う゛ぅ…………」


彼女に近づいてみると、レセプション会場にいたスタッフの子だった。

彼女は色白でスラリとした美人で、会場にいた人々にとても丁寧に対応していた。

俺がなぜ、こんなにもハッキリ覚えているかと言うと…。

レセプション会場で、どこかの婦人がヒールにソースを零し慌てていた。

そこへ彼女がサッとポケットチーフでソースを拭き取るという細やかな気配りを見せていた。


立食形式の会場だったので、彼女の心優しい気遣いがとても目に焼き付いていた。


………まぁ、俺の好み“ドストライク”だったっていうのもあるが……。


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