社長と秘密の生活
要の髪を触りながら、小声で話し掛ける。
「要は、どういう女の子が好きなの?どんな仕草だと、可愛いって思ってもらえるのかなぁ?」
要が寝ているのをいい事に
まつ毛、鼻の頭、唇にそっと触れながら
気になっている事を呟いてみる。
「要は私なんかで良かったの?」
私は…………何も持って無い。
地位も財産も学も美貌も。
要を悦ばす為の技術も無い。
あるのは………健康的な身体だけ。
私は愚痴のような本音をつい吐いてしまう。
すると――――!!
「杏花は何もしなくても、すげぇ可愛いよ」
急に要が話し始めた。
!!!!????
えっ!?………起きてるの!?
ピクリとも動いて無いのに、声だけが聞こえて来た。
私はそっと要の顔を覗き込む。