社長と秘密の生活


「えっ?自分で食べられるよ?」

「いいから、はい。ア~ン?」


要は私にフルーツをくれようとしている。

何だか凄く恥ずかしい。

別に手は動くし、自分で食べられるのに。

要はじーっと私を見つめ、私が口を開けるのを待っている。

もう!!これ、何の罰ゲーム?

私は仕方なく、口を開けた。

乾いた口にフルーツの果汁が広がる。

モグモグモグ………甘酸っぱい。

朝イチでフルーツだなんて贅沢。

しかも、旦那様に食べさせて貰ってるなって。

フフッ……こんな朝も良いものね。


「ん?そんなに旨いか?どれ…」


要はひと口、マンゴーを口にした。


「ん、旨いな」


その後も要が“俺が食べさせる”と聞かなくて。

結局、ほとんど食べさせて貰った。

朝食はクロワッサンとスープ、フルーツとサラダ。

そしてコーヒーを戴いて……。

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