社長と秘密の生活
杏花の実家は老舗寿司屋。
だから、ダシの取り方から包丁の使い方まで、
幼い頃から仕込まれたらしい。
そして……極めつけは、コレ!!
うわぁ―――ッ!!今日もマジでスゲェ。
良くこんな手の凝った料理を、朝のあの短時間で用意出来るなぁ。
―――――そう、この『愛妻弁当』
秘書の沢田は、“男2人で外食せずに済む”って喜んでたっけ。
小さめのお重に『売り物』と勘違いする程の料理が詰まっている。
コレを全て手作りだなんて。
―――――凄すぎる。
杏花は料理が好きらしく、毎朝の朝食は勿論、
前日の夕食の残りだって使った事は1度も無い。
思わず顔がニヤけてしまう。
ココが社長室で良かった。
こんな顔、部下には見せられないからな。