社長と秘密の生活


もうすぐ、23時―――


今日も遅いなぁ……。

私はソファに座り、窓の外を見ていた。

都心の高層ビルから眺める景色は煌びやかで、

『一条』という名が、華やかな世界に相応しいと

嫌でも思い知らされている気がした。


―――――ピンポーン。

……誰だろう??

こんな……夜遅くに………。

要ならインターホンを鳴らさないし。


窓際からリビングのインターホンパネルの前に。

インターホンパネルを見ると…沢田さん?


いつもの黒地のスーツを身に纏った秘書の沢田さんがそこにいた。

私は慌ててドアを開けた。


すると、


「こんばんは」


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