社長と秘密の生活
「夜分に失礼致します」
「要に何かあったんですか?」
玄関には彼1人。
彼が来る時は必ず要もいるハズなのに。
どうして……今日は1人なの?
……何か嫌な予感がする。
胸の奥がザワザワして、落ち着かない。
胸騒ぎを静めようと胸元に手を当て、彼の顔を覗き込んだ。
「いえ、特に問題ということではないのですが。夜の会食で先方にお酒を勧められ断り切れず、多少飲まれたのですが……」
沢田さんが語尾を濁した。
「それで?要はどうかしたんですか?」
「ここのところ、連日の仕事疲れで酔い潰れてしまわれ、会食先のホテルにご宿泊されることになりました」
「よかったぁ…。酔ってるだけなんですね?」
「……………はい」
………えっ!?
何………今の間は一体、何??