社長と秘密の生活
玄関に暫く立ち尽くしていた私は、リビングのソファに腰かけた。
―――要を信じたい。
私を『スキ』だと言った言葉を信じたい。
2人で確かめあった温もりを信じたい。
けれど、あの“千鶴”さんという人と今夜は一緒に過ごすの?
今も要は、あの人と一緒にいるの?
自宅に帰れない理由がそこにあるの?
私に電話もメールも出来ないほど?
彼女との時間が……
………そんなに大事なの??
私は止めどなく溢れ出す涙と共に
――――長い長い夜を明かした。