社長と秘密の生活
13.不穏な影
私は1人で街に買い物に来ている。
外出は厳禁で、ほぼ軟禁状態の生活。
生活に必要な物は、
いつもは家政婦の村岡さんに頼んでいるけど。
今日は珍しく要が早くに帰って来るというので、
手の凝った料理をしようと思いついた。
『さすがに珍しいスパイスを探して来て』
……とは言いづらい。
説明するのも大変だし、自分の目で選びたいし。
っていうか、久しぶりに色々買い物もしたいしね?
会社兼マンションの出入りを十分気を付ければ、
大丈夫だって言ってたし…。
村岡さんに見張りを頼んで、
無事にマンションを出る事が出来た。
ヨシ!!
良い物、いっぱい見つけるぞ!!
私は久しぶりの街中を軽い足取りで歩いていた。
『スパイス専門店』を目指して。