社長と秘密の生活
スパイス専門店に到着。
ここは、ホテルに勤務していた時にシェフに教わった店。
かなり本格的なスパイスが揃っているらしい。
スパイス専門店だなんて入った事が無いから凄く楽しみ。
店内へ入り、とりあえずお目当ての品を探して…
「えーっと、セボリーとフェンネル……あとは……」
メモして来た紙を握りしめ、
商品名の書かれたプライスカードを眺めながら歩いていると、
――――ドンッ。
「キャッ!!すみません。私がボーっとしてて…」
「いえ、俺の方こそ、商品に夢中で…」
前を見ずに歩いていたら、誰かと肩がぶつかった。
私の肩がぶつかった相手は、
背の高いスーツ姿のイケメン紳士。
薄い唇に、惹きつけられる漆黒の瞳。
少し日に焼けた肌で、鼻筋の通った顔。
少しワイルドな感じの男性だった。