社長と秘密の生活
こんな時間にスーツ姿でスパイス屋?
どこかの業者さん?
店員さんには見えないけど…。
私が彼をじっと見ていると、
「あの、これが取りたかったのでは?」
「えっ?あっ、はい、すみません。ありがとうございます」
男の人は私が探していたセボリーを手渡してくれた。
……何で、私がセボリーを探してるの分かったの?
彼が私の手元を見ている。
ん??……あっ!!このメモか。
「キミ、若いけど料理得意なの?」
彼は何を思ったのか、話し掛けて来た。
「えっ?あっ、はい。小さい頃から、親に仕込まれて…好きなだけですが…」
「へぇ~」
彼は私を小馬鹿にした様子で鼻で笑った。