社長と秘密の生活



「あの、何か変ですか?」


私は少し鋭い口調で訊き返す。


「あっ、いや…ごめん。変っていうか、こんな変わったスパイスを使うって、よほど料理が好きかプロのシェフくらいだから」

「…………そうですね」


なんだ……本格的なスパイスを探してたから?

……そうだよね。

そりゃ、こんな若いプロはいないもんね?

私が料理好きって思うのも納得。


「それで?コレ使ってどんなの作るの?」

「えっ?あっ、コレですか?」

「うん。気になる!聞かせてくれる?」


彼は無邪気に微笑んで訊いて来た。

さっきとは感じも変わって、

何だか親しみやすい雰囲気で。



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