社長と秘密の生活
「えっと…えぇっと……」
私は要の形相があまりに凄くて…
何も言えず、黙ってしまった。
暫く沈黙した後、静かに要が口を開いた。
「ごめん、杏花……。暫く、家から出るな」
要は真剣な眼差しで…
「えっ!?」
「悪いけど、当分の間…距離を置こう」
……距離を置こう?
それって……どういう意味??
…………別居ってこと!?
「どうして!?」
「…………」
「何で?私、何かした!?」
目頭が熱くなる。
鼻の奥がツンとして視界が歪んで見えて来る。
「いや、杏花は悪くない」
要は困惑の表情を…。
要を困らせたいワケじゃない。
ただ……状況が呑み込めないよ…。
「じゃあ、どうして?」
一気に涙が溢れて来た。
要と離ればなれなんて…嫌だよ。