社長と秘密の生活
「今日、杏花が会った‘一条修矢’は俺のライバルだ」
「ライバル?」
「あぁ、後継者の座を争っている」
「………」
「恐らく、杏花のことはまだ知られていないと思うが…」
「えっ?」
「もし、知ってるとなると…危害を加えてくる恐れがある」
要の表情がますます曇る。
もしかして……私、大変な事しでかした?
けどあの人、そんなことする人には…
「そんな悪い人には見えなかったよ?」
「会話したのか!?」
「う~ん、スパイスのこと聞かれたから」
「それで、何か教えたのか!?」
要の表情がより一層、鋭くなった。
「料理のことだけ。要のことは言ってないよ?」
言い訳のような事しか言えないけれど、
それは紛れもない事実。