社長と秘密の生活
「ごめんなさい……」
私は素直に謝った。
「大声で怒鳴ってごめんな?けど、杏花が狙われていると思うと、正気じゃいられない…」
涙がとめどなく溢れて来る。
何で、買い物なんかに出たんだろう。
どうして、マンションでじっと出来なかったの?
心の中で、何度も何度も自分を責めた。
今さら後悔しても遅い。
庶民の私が想像できないほどの何かがあるのだけは分かる。
要が心配してくれる気持ちが伝わる。
私の軽率な行動で迷惑掛けてるのに…。
要はは私の心配をしてくれている。
そんな彼の優しさが心に響き、
ますます涙が止まらない。
私は自分の愚かさと、
要の大切さを改めて知った。