社長と秘密の生活
俺は寝ている杏花に
『杏花、ごめんな?しばらく会えないが我慢してくれ…』
と、囁きながらキスをした。
杏花は気持ち良さそうに寝息を立てている。
フッ……可愛いな。
しばらくこの寝顔ともお別れか。
ため息まじりの愚痴を零して、
今一度、杏花の唇に口づけをした。
そして、荷物を簡単にまとめて自宅マンションを後にした。
と言っても、仕事場はすぐ下の階。
けれど、俺の意志は固い。
俺は決意を新たに。
愛する妻を守るには……これしかない。
俺が杏花の傍から離れるしか……。
後ろ髪を引かれながら仕事場の社長室へ。