社長と秘密の生活
15.別居
昼過ぎ、リビングで夕食の献立を考えていると
―――ピンポーン
……誰だろう??
この階(秘密の部屋)に辿り着けるのはごく限られた人だけ。
しかも、家政婦の村岡さんは暗証番号を知っていて、
敢えてインターホンを鳴らしたりしない。
何だか嫌な予感がして胸騒ぎがする。
恐る恐るインターホンのパネルを覗き込むと
パネルには沢田さんと見知らぬ男性が1人。
―――ガチャッ。
静かにドアの解除ボタンを押すと、玄関から2人が入って来た。
「失礼致します、奥様。宜しいですか?」
「はい……どうぞ…」
私は2人をリビングへ通した。
沢田さんの表情がいつにも増して険しく、
胸騒ぎが確信へと変わりつつあった。
「あの……今日は何か……?」
私は意を決して話に耳を傾けた。