社長と秘密の生活



沢田さんから詳しい事情を伺うと、


「それじゃあ、私がそちらの方と一緒に生活するっていう事ですか?」

「………はい」

「要と話をさせて下さい。要の口から聞かないと納得出来ません」

「そう言われましても…今は会議中でして…」


……何なの!?

突然やって来て、要と別々に暮らさなくちゃいけないって。

冗談でしょ!?


幾らこの生活が秘密の生活だとしても、

だからって、初めて会った人と同棲するなんて。


私が動揺を隠しきれず、興奮していると、


「ちょっといいか?俺は宮本和成。要の親友であり、顧問弁護士だ」


もう1人の男が急に話し始めた。

弁護士……!?

弁護士だから私の身元の安全を確保するって言うの?


「………」

「キミがパニックになるのもわからなくないが、要が好んで頼んだと思うか?」

「それは……」

「大事な奥さんを守るために、俺に託したんだ。信じてやってくれないか?」

「………」


< 239 / 557 >

この作品をシェア

pagetop