社長と秘密の生活
沢田さんから詳しい事情を伺うと、
「それじゃあ、私がそちらの方と一緒に生活するっていう事ですか?」
「………はい」
「要と話をさせて下さい。要の口から聞かないと納得出来ません」
「そう言われましても…今は会議中でして…」
……何なの!?
突然やって来て、要と別々に暮らさなくちゃいけないって。
冗談でしょ!?
幾らこの生活が秘密の生活だとしても、
だからって、初めて会った人と同棲するなんて。
私が動揺を隠しきれず、興奮していると、
「ちょっといいか?俺は宮本和成。要の親友であり、顧問弁護士だ」
もう1人の男が急に話し始めた。
弁護士……!?
弁護士だから私の身元の安全を確保するって言うの?
「………」
「キミがパニックになるのもわからなくないが、要が好んで頼んだと思うか?」
「それは……」
「大事な奥さんを守るために、俺に託したんだ。信じてやってくれないか?」
「………」