社長と秘密の生活


……そうだよね?

私が昨日、外出したのが発端なんだよね?

私が軽率な行動さえ取らなければ良かったのよ。


要の親友だっていう事だし、

きっと安全は確保されてるんだわ。


「……分かりました」

「サンキュ。じゃあ、今すぐ荷物まとめてくれる?」

「えっ!?今すぐ?」

「今すぐ!!」

「………」


彼の表情が全てを物語っている。

これはお遊びで言っているんじゃない事を。


私は渋々荷物をまとめた。

要から貰った指輪をしっかり嵌めて。


玄関の扉を閉める前に、

今一度、要と過ごした場所を胸に刻んで。


和成さんの自宅マンションへと向かった。


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