社長と秘密の生活



宮本さんのマンションに着いた私は、


「スゴイ素敵なマンションですね?」

「そうかぁ?要のトコよりは狭いけど、見晴らしは良いよ?」

「ホントだぁ…」


キレイに掃除が行き届いているリビングを抜けベランダへ。


マンションの目の前に大きな公園があり、高層からの眺めが絶景。

窓の外を眺めながら今後の事を訊ねてみた。


「私はどうすれば良いんですか?」


すると、私の元へ近づいて来て…


「今日から、俺の彼女として振る舞って貰う」

「彼女……?」


宮本さんは至って真剣な表情で。


「外に出る時は、俺を要だと思って接して?」


私の顔を覗き込む彼の表情が十分気を遣ってくれている事を証明するかのように…


優しい顔つきの中に申し訳なさを感じた。


「……はい……努力します…」


私には了承する事しか出来ない。

だって、自分で蒔いた種だから。


「まぁ、要の奥さんってことは変わらないんだから安心していいよ?」

「えっ?」


和成さんは、私の心を見透かしているかのように。

凄く優しい表情で…。




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