社長と秘密の生活



要との別居生活は色を失ったみたいに味気なくて、

時間が経つのが分からなくなっていた。


宮本さんは、

『毎日一緒に居るのに“宮本”は他人行儀だから“和成”でいいよ』…と。




和成さんのマンションに来て1週間。

和成さんは仕事に追われ、帰りが遅い。

まぁ、これはコレで結構有難い。

ずっと一緒にいるのも気まずいしね…?



―――――ガチャッ。


玄関のドアが開く音が聞こえ、急いで玄関へ。


「おかえりなさいっ!!」

「おっ、ただいまッ。なんかこういうのも新鮮だよね?」

「えっ?」


私は意味が分からず、首をかしげてみた。

何が新鮮なんだろう?


和成さんは靴を脱いで、ネクタイを緩め始めた。


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