社長と秘密の生活


翌日―――――


私と和成さんはセレクトショップが立ち並ぶ通りを歩いている。

修矢さんが良く買い物に現れると言うショップを次から次へと。

和成さんは自分の身体に服を合わせて…

彼女のフリをしている私に『似合う?』と自然にふるまって…。


「杏花ぁ、何食べる?俺、腹減ったぁ」

「そうだねぇ……」


“杏花ぁ”って……。

そりゃあ、今は和成さんの彼女のワケだけど…。


和成さんってフリが自然すぎる。

手を繋ぐのも、腰に手を回すのも。

私の名を呼ぶ事さえも…。

今もこうして…肩におでこを乗せて甘えてくる。


たぶん、私のぎこちない動きをカバーしてくれているんだよね?


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