社長と秘密の生活
「杏花」
「ん?」
久しぶりに聞く要の声。
少し低くて…胸に響く。
優しく落ち着いた彼の声は、私の心の隙間を埋めてくれた。
要の腕の中で彼の鼓動に耳を澄ませていると、
「杏花?……どうした?」
「えっ?」
私は要の顔を見上げた。
要は妖艶な眼差しで私を見下ろしている。
静かな時間がゆっくり流れて…
「……かなめっ?」
「フッ、久しぶりの杏花の“かなめ”っていう声、すげぇいいな」
「ウフフッ。私も同じこと考えてたよ?」
「俺ら似てんな?」
要は満足げに微笑んだ。
この笑顔も私だけのものなんだよね?
何だか……凄く幸せ。
2人だけの最高の時間。
「ごめん、大丈夫だったか?」
「……うん////」
「ちょっとハードだった気もするけど…」
……けど?
けど……何?
要の次の言葉に耳を傾けていると、